子どもがアドバイスを聞ける状況を整えよう

2022.10.16

子どもにアドバイスをするときに、家庭でよくありがちなのは、子どもをちゃんと座らせずに、親がいきなりアドバイスを浴びせることです。

たとえば、子どもがテレビを見ている時に、お父さんは隣でビールを飲んでいます。「今日の試合はどうだった?」「サーブが全然入らなくて、ボロ負けだったよ」「サーブはこうやればいいんだよ」などと、親がアドバイスを始めても、子どもは「ふーん」と言うぐらい。よくありませんか、こういうシーン。

そんな親子の会話を頻発にすると、子どもは「まただ。もういいよ。そんなことは聞いてないし」と思うようになるのです。

では、どんな風に子どもにアドバイスをすればいいのでしょうか。

大切なのはきちんと話し合う時間と場を設けること

子どもとちゃんと向かい合って座って、子どもの「知りたい」というレディネスを作ってから、大事なことをしゃべらないといけません。

キッチンやリビングでは、他の家族が話に割って入ってきたりして、なかなかゆっくりと話せないので、別の部屋に移ることです。

私達は「振り返り」と呼んでいるのですが、その日のできごとについて、心の整理する時間を持つことが大切です。

もし、お父さんがお子さんのメンタルトレーナーなのであれば、「ふりかえりを一緒にするか?」「じゃあ、ちょっといろいろと整理しに行くか」と言って、別の部屋や近所の公園のベンチなどに行って、「今日はどうだった?」ときちんと聞くのです。

きちんと話し合う時間と場を作って、心の整理をする習慣を身につけることが、とても大事です。

アスリートの場合、振り返る習慣がない選手は、やはり強くなれません。

親子で「今日はどうだった?」「サーブは全然入らなかった」「次はどうしたら強くなれる?」「苦手なサーブの練習をする」「じゃあ、頑張れ!」と振り返って話し合うことで、子どものモチベーションは上がっていくものです。

一方、大人の選手でも、負けた時は「振り返りたくない」と言い出します。

でも、振り返りは先延ばしにしてはダメです。その日中が基本で、先延ばしを防ぐために、試合が始まる前に時間をきちんと決めておきます。

どんなに振り返りたくなくても、約束は破りたくないから、渋々選手は現れます。

親子の場合は「試合が終わったら、負けても勝っても一緒に振り返ろう。絶対にこの時間に来てね。約束できる?」と言って、約束するのです。

メンタルトレーニングの基本とは、朝、行動目標にスイッチを入れて、1日を終えたら、結果にかかわらず、「今日は頑張りました」「できました」「よかったね」「すごいね」と言って、承認して終えることです。

行動目標にスイッチを入れて、承認することを継続していけば、子どもは自然と達成感を持つようになるのです。

人生には、きついことやしんどいことが当然起こります。

でも、この「振り返り」の習慣を続けることで、きつい時もしんどい時でも、ちゃんと向き合って、考えればいいという習慣が子ども達に身についていくのです。

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