2023.03.06
今回は正しく悔しがる方法についてお話をしていきます。
一流の選手であっても、神様ではないから、負ける試合もありますし、みなさんも試合に負けることもあるでしょう。
でも、負けたときに 悔しがらないと、絶対に強くなれないのです。
私がメンタルトレーニングを担当した選手の試合で、ものすごいラリーが続いたことがありました。
点を取られては、取り返すという、互角の戦いが続いたのです。
この厳しい勝負 を制することができるのは、メンタルが強い人です。
ところが担当した選手は、最後の最後で負けてしまいました。
試合直後に彼を呼んで、「どうでしたか」と聞いたら、彼は「こんな試合の結果は、ジャンケンみたいなもので、運なんです。
どちらが勝つか負けるかなんて、関係ないんですよ」 と言うのです。その言葉を聞いて、私は大いに怒りました。
「そんなことを言っているから、あなたはいつも競り負ける。競った試合になったときに、 負ける確率がとても高いのに自分で気づいていますか。あと一歩で勝てるところを負けて悔 しくないんですか」
人は傷つきたくないので、自分の悔しい気持ちをセーブしがちです。
しかし、負けたとき は、ぜひ健全に、正しく、悔しがってください。
ものを投げたり、蹴っ飛ばさなくてもいいから、「悔しい!」と言うぐらい、言っていいのです。
正しく悔しがれば、そのときは負けても、次は勝てます。
勝てるチャンスが巡ってきます。
負け続けても、悔しい気持ちを忘れなければ、必ず突破口が見つかるのです。
簡単に勝てたときよりも、負けても負けても、ひたすら悔しがり続けて、ついに勝ったときのほうがものすごく気持ちがいいものです。
今日の「悔しさ」は、未来の「達成感」が数倍返しになるのだと、覚えておいてください。
仕事の締め切りの10分が過ぎたときも、「負けた!」と、大いに悔しがりましょう。
でも、 何度もチャレンジするうちに、絶対にクリアできるようになります。
そして、「自分も成長するものだな。前は15分かかっていた作業が今は10分を切っていて、 「すごいよ」と思えるようになるのです。
そうやって、やりたくないルーティンワークは、「達 成感」や「自己肯定感」に変えていきましょう。
オリンピック出場が決まったときに、選手が無上の喜びを感じるのは、大変な思いをたくさんしてきたからです。
オリンピックは肉体的にも、精神的にも、人間の限界を乗り越えてきた結果、ようやく行ける場所だからこそ、うれしいのです。
上手くいったことだけが「達成感」になるのではありません。負けてもいいのです。
何度 負けても、チャレンジし続けて、ようやく到達できたことは、大きな「達成感」になっていくはずです。