圧倒的な戦力差の試合で、メンタルは達成感を得られるのか?

2022.11.18

高校野球では、ごく普通の高校生がプロ野球選手を多く輩出するような強豪校と戦うことがあります。

これはどうしようもないぐらいの実力差があり、試合では大きく点差が開くケースです。こんな状況の時、普通の高校生たちは強豪校との試合に、どのようなメンタルで臨むといいのでしょうか。

高校3年生にとって、高校野球はここで負けたら最後の試合です。

最初からあきらめてしまうのではなく、何とかひと泡吹かせたいと目標を掲げて戦うことが大切です。では、具体的にどんな目標にすればいいでしょうか?

今回は圧倒的な実力差の試合のときのメンタルの扱いかたについてお話をしていきたいと思います。

できることをやった負けには達成感が残る

目標はこうです。

負けてもまったく悔いが残らないぐらい、「これ以上はもう無理!」と思うぐらい、頑張った負け方をすること。

「相手はものすごいカーブを投げてくるけれど、よくボールを見て集中すれば、内野安打ぐらいいけるんじゃない?」

「パーフェクトなんて嫌だから、せめて塁に出よう」

「1点をもぎ取ろう」

とみんなでいろいろとできそうなことを考えて頑張ってみる。

もちろん、力の差があるので、できないこともたくさんあるとは思います。

ただ、面白いものでいくら実力に差があっても、学生なので、1試合のなかに多少の気の緩みや隙は出てくるものです。

特にこちらが圧倒的に負けていて、相手がいい気になっている時には、必ずと言っていいほどチャンスは訪れます。

そのチャンスを活かして、塁に出たり、点をもぎ取るのです。

すると、負けていてもうれしくて泣き出す生徒もいます。

「先生、俺らすごくないですか!」と。

おそらく強豪校の生徒達は、ゆくゆくはプロ野球をめざすようになり、普通校の生徒達は高校で野球は終わりになるでしょう。

でも、強豪校から死力を尽くしてもぎ取った1点は、生徒達の一生を支える達成感になるのです。

勝ち負けではなく、いかに今できることを全力で出し尽くしたか。

これが、次につながるのです。

レベルの差があればあるほど、試合中は「いいよ、いいよ!」「絶対いける!」と、ひたすらいいところを見つけてほめまくりましょう。

負けていても、そんな掛け声で「まだまだいける!」とチームは非常に盛り上がって、意外ともう1点取れたりするものです。

負けてもうれしくて泣いてしまうような負け方をすることです。

最後の試合にそこまで頑張れたら、「野球をやってきてよかった」「ここまでできたんだから、次はもっとできるだろう」と思えるようになります。

3年生には達成感だけ持って卒業してもらいましょう。この達成感が、新たな目標に向かう時の 「自信」や「あきらめない心」につながります。

1、2年生には「悔しいから、来年はあのスピードのボールを打てるようになあって大会に出よう」と次目標を立てさせます。

最初からあきらめた負けとはまったく違い、できることをやった負けには、達成感が残るはずです。

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