ねばりを生む、「ヒーロースイッチ」とは?

2022.12.18

今回は元プロテニスプレーヤーの岩渕聡さんを例に出しながら、メンタルのイメージを強くさせる「ヒーロースイッチ」についてお話をしていきたいと思います。

自分のなかに勝利に必要な要素を持つヒーロー像を作ろう

元プロテニスプレーヤーの岩渕聡さんは、若いころに全日本選手権の決勝で、プレッシャーのためにボロボロに負けた経験があり、1回戦で格下の相手に負けるということもありました。

試合の2日前に会うと、彼は「嫌だ。やりたくない」と言うこともありました。

そこで岩渕さんには、さらにメンタルのイメージの強化をしておこうと思いました。

「試合中は、どういうところからメンタルが崩れますか?」

「ストローク戦が苦手で、ねばれずに焦って勝利をしにいって負けるんです」

「じゃあ、ねばりが大事なんですね。映画でもアニメでも何でもいいんですけど、何度もピンチに陥っても、ねばって戦えるヒーローはいますか?」

「『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスですかね。裸足の足にガラスの破片が刺さっても自分で取って、戦うところがすごいな、ここまでねばれるんだと思いました」

「わかりました。明日の試合でストローク戦になったら、あなたはブルース・ウィリスです」

そうして、1回戦を迎えたら、圧勝のストレート勝ちでした。勝ち進んでいくなかでもダントツに強いんです。

ウソのような本当の話です。ねばるヒーロー像を彼が心のなかで思い浮かべると、それがスイッチとなって今まで焦ってねばれなかった場面で、戦えるようになったのです。

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