2022.12.05
たとえば、親が子どもに病院などのなかで静かにしてほしい時に「静かにしなさい。飴をあげるから」と言うことがあります。子どもには効き目抜群です。
特にものを交換条件に出すと、非常に即効性があるのです。
だから、親としては「これはうれしい。すごく助かる」と感じて、ついついはまってしまいます。
しかし、子どもも大人も同じなのですが、交換条件だと、基本的には効果はその時だけで、継続できない性質があるのです。
今回は子どもを言い聞かせたいときにどんな風に接すればいいかについてお話をしていきたいと思います。
大人の場合でも、「これはやる意味があるの?」と思うような気が進まない仕事を「ボーナスを出すから」と言われて、やったとします。
2~3回頼まれると、「ボーナスの金額を上げてもらわないとわりに合わない」と思うようになります。そして、4~5回目には「もうやりたくない。断りたい」と思うのです。
要は自分自身の内面から動かされることがない限りは、やる意味を見出せなくてやめたくなります。
交換条件でやっているうちは、人は受け身かつ自由がない状態なので、長続きしないのです。
大人の場合は、仕事の意味や、世の中における役割、自分にしかできないということを伝えると、モチベーションが上がります。
また大人であれば、一回言えば納得してやってくれるのですが、子どもの場合は短時間で忘れてしまうので、納得させるのにもエネルギーが要るのです。
子どもには「患者さんに迷惑がかかるから、病院では静かにしなさい」と10分ごとに言わないといけないから、親は面倒になって、お菓子やゲームを渡してしまいます。
でも、これは静かになっているだけであって、子どもはこの場で静かにしないといけない理由を覚えているわけではないのです。
だから、交換条件とはそういうものだと正しく理解して、的確に使ってほしいです。
ゲームで静かにしていた時は「えらいね。静かにできていたね。じゃあ、今度はゲームなしの時でも静かにしていようね」と言うと、多少は交換条件にも意味付けがあります。子どもは病院で静かにすることの意味を理解していくはずです。