メインディッシュの人生か幕の内弁当の人生か

2023.03.16

これからの自分の人生を思い描くときに、ぜひ考えてみてほしいポイントがあります。

人 の生き方には、大きくはふた通りあるのです。

ひとつは、自分にとって、一番大切なものをど真ん中に置いた人生。好きな仕事をしてい る人などは、おそらくこれにあたります。この場合、仕事が人生のメインディッシュで、他 はあくまでも添えもののパセリ程度のものなのです。

もうひとつは、仕事もそこそこ、家庭もそこそこ、遊びもそこそこのバランス重視の幕の 内弁当のような人生です。 これはこれで、生き方として立派に成立しています。

ある男性は、関西出身で大学では電子工学を専攻し、エコ技術の研究がしたいので、その 研究所のあるメーカーに就職しました。彼は研修期間を終えると、すぐに東京の研究所に配属になりました。

ここまでは、本人も好きなエコ技術の研究ができるということで、機嫌よく働いていました。

しかし、今はこういったご時世なので、彼の会社はエコ技術の分野から、撤退してしまいます。

他メーカーに勝てないと会社が判断したのです。

ただ大企業なので、彼はクビにはならず、いくつかの技術所を転々としたあとに、子会社に出向になりました。

彼は出向先で自分のアイデンティティが見つからなかったらしく、「会社を辞めたい。 やっ ぱり、エコ技術の研究がしたい」と言い出します。

私は「それなら、エコ技術をやっている 企業に自分を売りこんでみては」とアドバイスしました。

メインディッシュ方式の人生を歩もう!

彼には妻子がいて、彼も奥さんも地元の大阪に戻りたいので、転職するなら関西に地盤がある企業がいいと言います。

そこで、とあるメーカーを転職先に挙げるのですが、彼は「給料が今の半分ぐらいになる。 でも、大阪に戻れるなら、我慢したほうがいいかな」と言い出します。私は、その時点でアウトだと言いました。

この場合、「たとえ給料が半分になっても、転職先で自分の力を認めてもらうまでは、あ と10年は必死に頑張ろう」という気概がないと無理なのです。

彼には、 新しくキャリアチェンジしようとする人の気概が見られない。 彼が勤めている会社では年末年始の休みと夏休みは2週間ずつあり、リフレッシュ休暇もある。

そして年に3 回もボーナスが出るのです。

ある意味で給与でも休暇でも申し分のない環境にいる人が、やりたいことのために待遇面でレベルを下げる。

今の厳しい世の中ではなおのこと、覚悟がいることです。

そこまでの覚悟がないのであれば、今の会社を辞めないほうがいいのです。

しかし、彼は「定年まではあと20年もある。毎日、仕事にやりがいがなくて、面白くない。 これからも先が見えている」と嘆くのです。

気持ちはよくわかるけど、その悩みはサラリー マンのほとんどが持っている悩みです。

だからこそ、自分がどういう人生を生きたいのか、きちんと考えるべきなのです。

まずは、自分の人生において、何がメインディッシュなのか、明確にしましょう。

もし、 メインディッシュがないようなら、幕の内弁当という生き方もあるのです。

とかく今という時代は、メインディッシュだと思っていたものがメインではなくなることが起こり得ます。

ステーキだと思っていたのに、牛肉の佃煮になってしまうこともある。そうすると、幕の内弁当方式で、他を充実させて、自分の人生を成立させることもできるのです。

メインディッシュ方式の人生ではなくなり、幕の内弁当の人生だと、きちんと理解できて いれば、それはそれで幸せです。でも、そうじゃなくて、やはりハンバーグを選びたいという人もいます。

ハンバーグであれば、メインディッシュに成り得ますから。

このように、人生にはふた通りあって、メインディッシュ方式と、幕の内弁当方式があります。

あなたは、どちらの人生を選びますか?

ページトップ