過度なストイックさは「無気力」を生み出してしまう

2023.05.18

チームがストイックになりすぎると、個人がどれだけ頑張っても、さらに締め上げられた り、次々と要求されるので、自分のなかでやり遂げたという達成感が味わえなくなり、やる気がなくなってしまいます。

また、過度にストイックな思考になると、試合に勝っても、「まだまだだめだ」と思ってしまい、いつまで経っても達成感が得られず、だんだん無気力になっていくのです。

やはり、頑張った自分を認め、承認していくことがとても大事なのです。

私が担当したアスリートのなかで、「自分は親から認められていない」というコンプレックスがエネルギー源となって、ものすごく頑張れていた選手がいました。

この選手は大きな 大会で優勝しても、「ここがゴールじゃない。ここで止まらない」と、ずっと言い続けてきたのです。

これが彼のエネルギー源でした。

しかし、ある大きな大会の前に「体がどうしてもおかしくて動かない」と言い出しました。

これはどう見ても、メンタルの問題で、燃え尽きてしまっているのです。

本人は「メンタルじゃないんです」と言うのですが、人は自分で自分をほめずに承認しないでいると、バーンアウトしてしまうのです。

自分で自分を「よくやった」とほめて、ガッツポーズをしっかりして、承認していかないと、苦しい試合を戦っていけなくなります。

何かを達成したときや、仕事を終えたときは、必ず自分をほめたり、ご褒美をあげるようにしましょう。

ご褒美はなんでもいいので、自分で自分を承認して達成感を味わうことが大事です。

それから、チームメイトや家族とちょっとした言葉をかけ合うこともお薦めです。

「お疲れ様。よくやったね」「すごいですね。こんなに売上が上がってますよ」「ありがとう ございます」「○○さんのおかげです」。

こうしたささいな言葉をかけてもらうことが、本人 にとってはものすごい承認になって、「大変だったけど、頑張ってよかったな」と感じ、達成感が得られるのです。

あるビジネスマンは、非常に大変な仕事を終えました。

しかし、会社からは「もっとやる ように」「もっと売上を上げてほしい」と言われ続けます。そうすると、だんだんと仕事を やる意義を感じられなくなっていくのです。

家に帰ると、何も事情を知らない奥さんが「残業をしているのに給料が安いわよ。 社長になんとか言いなさいよ。」と言い出します。

この ビジネスマンは、会社にも家にも居場所は見つからず、うつになってしまいました。

人は目標があって、承認があると、うつにならないというデータがあります。

たとえ社長 がわからずやでも、奥さんに理解がなくても、自分で自分を承認し、自分の居場所を作るこ とが大切です。

誰も労わってくれないなら、出張のふりをして温泉に行って、遊んで帰ってきてもいいのです。

また、チームの上司と飲みに行って、「よくやってくれた」などと労わっ てもらえば、気持ちがすっきりして、また頑張れたりするものです。

何かを達成したときに、自分で自分を認めて承認してあげることが上手にできれば、無気 力になったり、うつになることはないのです。

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