2022.12.19
元プロテニスプレーヤーの岩渕聡さんのお話をしていきます。
以前の岩渕さんは、試合中にミスをした時に脳内で無意識に反省会をはじめていることがありました。
今まさに試合が動いているその時に、無意識のなかでは、数秒数分前の失敗を反省しているのです。
その一瞬の隙に相手がボールを叩き入れてきたら、当然、反応が遅れてしまい、ボールを打ち返すことができません。
今回は元プロテニスプレーヤーの岩渕聡さんを例に出しながら、試合中の集中力と自己肯定感を上げる秘訣についてお話をしていきたいと思います。
岩渕聡さんには、「Now and Here」、つまり「今ここ」に100パーセントの意識を集中して戦ってほしいと言いました。
そうして、いよいよ決勝の前日を迎えたのです。
「いよいよ、決勝まで来ましたね」
「先生、ありがとうございます。明日は僕、倒れるまでやりますよ」
決勝戦の相手は添田豪選手でした。添田選手は岩渕さんより9つ年下。初戦ならともかく、1週間戦ってきたあとの結晶ですから、正直、体力的には相手が有利です。
また、彼は国際大会でも勢いに乗っていたので、優勝候補ナンバー1。岩渕さんにとっては、以前も負けた相手であり、対戦相手としても相性の悪い選手です。
大方の予想は添田選手が圧倒的に強いと思われていました。
試合中、岩渕さんには「今ここ」ということに集中してもらうと同時に、自分がいいプレーをした時に「よし!」とか「やった!」と声を出して、ガッツポーズをするようにお願いしました。
これには意味があって、自分に「よくやった!」という承認のコールをすることで、「自分はいける!やれる!」という自己肯定感を高めていくのです。
これを続けると、試合が進むほどに強くなれるし、しんどい時のあと1歩が出るようになります。