2022.12.31
ある選手は、かつて全日本選手権でボロ負けしたことがあり、「全日本選手権は嫌」と言っていました。
人が過去の結果にとらわれてしまうのは、なぜそうなったのか自己分析ができていないからです。
過去に何があって、何があなたを苦しめているのかを考えていく必要があります。
原因を見つけ、その原因を取り除くためには何をしなければならないか、それを突き止めなければ、いつまでも過去の結果にとらわれたままになります。
すると、前に進むことができません。
選手と私のあいだには、こんなやりとりがありました。
「全日本選手権は嫌です」
「何で嫌なんですか?」
「あの雰囲気が嫌なんです」
「雰囲気の何が嫌なんですか?」
「お客さんが多いじゃないですか」
「お客さんが多いと嫌ですか?オーストラリアの試合もお客さんが多いですよね」
「いや、海外は違います」
「じゃあ、嫌なのはお客さんの多さではないですよね。何が嫌なのですか?」
このように何が嫌なのか1つずつ調べていきます。
自分を苦しめているものをより具体的にしていく作業です。
原因を具体的なものにしていかなければ、それを解決する方法が、見つかりません。
自己分析は、非常にむずかしい作業です。
特に過去に縛られた原因というのは、嫌な体験によるものです。探るとなると、1人でやるのはむずかしいかもしれません。
メンタルトレーナーのサポートがない場合は、ノートに書き出したり、信頼できる人と話してみたり、なるべく客観的に考えるようにしてください。