2023.02.26
今私の手元に子ども用の文具キットがあります。
これはアメリカで買ってきたものなのですが、クレヨンやクレパスなど、さまざまな彩色する文具がひとつの箱に納められています。私はここにも成長を促すモチベーション、つまり、「やる気」が秘められているように思うのです。
このキットは、5歳だからクレヨン、7歳だからクレパスというように、特に使い方は定 められていません。
道具はあくまでも道具なので、子どもに自分の使いたいものを選ばせるのです。
これはアメリカ的に言うと、自分で選んで自分で決めるという「自主性」を養っていることになります。
反対に「あなたは5歳だからクレヨン。7歳だからクレパス」というように、他者に決められている場合は「規制」です。
さて、自分で選んで自分で決めるという「自主性」と、あらかじめ他者に決められている「規制」の軸のなかでは、どちらがやる気が高いでしょうか。
もうおわかりだと思いますが、「自主性」があるほうがやる気が高いのです。
だから、やる気において、「自主性」が非常に大きな役割を果たしているのだと覚えておいてください。
こんな話があります。第二次世界大戦末期のシベリアの収容所の捕虜は、大変過酷な状況 のなかで、強制労働させられていました。捕虜の人たちは、真冬の寒いなか、薄着で何キロ も歩かされたと聞きます。
ところで、私の家の近所に毎朝欠かさずランニングをしているおじいさんがいます。
真冬 のものすごく寒い時期でも、おじいさんはTシャツ1枚で何キロも走っているのです。 シベリアの捕虜の人たちとおじいさんのやっている行動を比べると、体に対してかかる負担やストレスは 、基本的に同じです。
しかし、メンタル面はどうかというと、走りたくて続けているおじいさんは、気持ちがとでも元気です。
反対に、強要されている捕虜の人たちの気持ちは疲れきっています。
ここが重要なポイントなのですが、「自主性」や「自由である」というキーワードは、私たちのモチベーション、イコールやる気をものすごく上げてくれるのです。
もうひとつ。 メンタル面では双方に大きな開きがありますが、体に対しての負荷はそう変 わりません。ということは、いくら体を休めてみても、自主性が伴わなければ、やる気は起きないのです。
毎日9時から5時まで働いて、残業はゼロだから、体に負担は一切なし。
でも、「規制」 のなかで、他人に決められたことだけをやっている人は、一向にやる気が起きません。
一方、夜遅くまで残業し、徹夜も辞さない覚悟。休日返上で「何としてでもこの仕事を完成させるぞ」と、自主的に働いている人は、ものすごくやる気が高まっています。
このように、自主性があるかないかの違いは、とても大きいのです。
そして、自主性を伴って、やる気を上げれば、体力や能力に関係なく、ものごとに対して、 よりパワフルに取り組めるのです。
さて、自主性を伴いながら、やる気をどう出していくのか?
いよいよ本題です。 やる気が出るポイントは、大きくは4つあります。まずは「目標」です。これがあれば、 達成しようという意識が生まれ、やる気は当然上がります。 また、その「目標」は大きなものでも、小さなものでも構いません。
小さな目標でも、「行動」「感情」「存在意義」の3つによって、やる気を底上げすることができます。 大切なのは、この4つがそろうことです。
4つがそろうと、やる気は大幅に上がり、どれ かひとつが欠けると、やる気はぐんと下がります。
ひとまずは「目標」「行動」「感情」「存在意義」が大切なポイントだと覚えておいてください。