2022.10.24
「子どもが習いごとをやめたいと言っているんですけど、やめさせたほうがいいですか? やめないほうがいいですか?」と相談されることがよくあります。
そのときに「あなたの家族はどういう子どもに育てたくて、どういう家庭にしたいのか」を夫婦間で話し合うことが大切です。
なぜなら、「どういう家庭にしたくて、どういう子どもに育てたいのか」によって、おのずと答えは違ってくるからです。将来、子どもをオリンピックに行かせたいのなら、「やめずに頑張れ」と言うことになるでしょうし、習いごとをのびのびとやらせたいなら、「やめたいならやめればいいんんじゃない?」という答えになるでしょう。
子どもに対する価値観がはっきりしていれば、本来迷うところではないのですが、親が自分の価値観を改めて考えることができていないので、わからなくなるのです。
今回は子どもに対する価値観についてお話をしていきたいと思います。
習いごとを「やめさせるか」「やめないか」、その選択は親の価値観次第です。
ただ、ひとつ気をつけてほしいのは、どちらを選択するにせよ、子どもへの接し方次第でリスクが伴うということです。
親が「オリンピックに行くために、とにかくやめずに頑張れ」と言い続けた場合、子どもが途中で挫折したり、反抗的になることがあります。
逆に「やめたいならいつでもやめればいいじゃない」と言った場合、子どもはのびのびとストレスなく育つかもしれませんが、将来大きなストレスが降りかかってきた時に、耐えられない可能性も生まれます。
親がリスクがあることをわかった上で選択し、その後のリスクが最小限になるように務める必要があります。
親から「どうしたらうちの子はいい子になりますか?」と聞かれることも、よくあります。
ここでもやはり大事なのは、親がどういう子どもがいい子なのか、いい子の定義を決めておくことです。
お母さんのなかには「うちの子は、周りの人の顔色を見たり、気を使ったりせずに、のびのびした子に育ってほしいんですよね」と言う人がいます。
面白いのは、そんなお母さんの子どもに、レストランに行っても暴れていたり、目上の人に挨拶もできない、という子がいることです。
ある意味、ちゃんとお母さんの思惑通りに、子どもはのびのびと育っているわけです。
のびのびと育てているけれど、きちんと挨拶をすることは大事だと、親が思っていない限り、子どもはできないものです。
この場合は、親が「子どもなんだから、挨拶できなくてもしようがない」と思っていることが原因なのです。
やはり、どんなに小さな子どもであっても、親が強く願うことはできるものです。特別に規制をしなくても、子どもは親の意向を汲んで行動しています。
子どもが自分で考えてでいるわけではなくて、親が「こうしてほしいな」と思う期待を子どもは叶えようとするのです。
だからこそ、どんな子がいい子なのか、親は子どもへの期待を明確にしないといけないのです。
親の期待が明確じゃないと、子どもはどうしていいのかわからず、混乱してしまいます。
お母さんは「喧嘩しちゃだめよ」と言うのに、お父さんは「殴ったら殴り返せ」と言ったら、子どもは「どうしたらいいの?」と迷ってしまいます。
夫婦で話し合って、いい子の定義を決める。そうすることで、子どもは親の期待に応えられるようになるのです。