2022.12.15
夫婦は自分のことは我慢できても、子どもが絡んでくると、どうしても譲れないことや我慢できないことが増えてくるものです。
今回は夫婦間で子どもの教育の価値観が異なったときに、どのように対処したらいいかについてお話をしていきたいと思います。
価値観の違いは、大きく分けると3つあります。話し合って、「全面合意」できるもの、「部分合意」できるもの、話し合いをしない「放置」です。
価値観の違いは、この3つのどこかに位置することをわかっていないと、争いがずっと繰り広げられてしまいます。
夫婦でも価値観が違うことは当たり前で、夫婦だから分かり合えるとは絶対に思わないことです。そして、親にしてみれば、子どものことは自分のことなのです。
たとえば、お母さんがお父さんに「タバコをやめたほうがいい」と何度言ってもやめない場合は、どこかで「好きにすれば」と思って見捨てます。
でも、子どもの場合は、自分ごとの度合いが違うので、「だめじゃない!やめなさい!」となるのです。そして、子どものことは、自分ごとだからこそ、一般論がまるで通用しなくなります。
なかには、夫婦がすべてわかり合っていないと、「私達は夫婦として価値がない」と思う人がいます。
しかし、夫婦が全面合意であるのは奇跡的なことで、ほとんどあり得ません。だいたいどちらかが子育てに興味がなくて、「任せるよ」と放棄していることで、全面合意に見えているだけなのです。
最近は「家のことは全部お母さんに任せた」と言い出すお父さんがいたら、お母さんは「ふざけないで。子育てに参加してよ」と当然言います。全面合意も放置もなかなかできないものです。
だから、夫婦は部分合意を重ねていく必要があるのです。
これは、戦争の和平交渉と同じで、「まずミサイル弾はやめない?」と、絶対にダメなことを決めて排除していって、それがクリアできたら、「次は国境線を決めよう」と少しずつでも話し合って決めていくと、ものごとは収束に向かうのです。
夫婦でそういった話し合いをして、部分合意で終わらせることを意識することが大切です。
それから夫婦は、大筋では「子どもにとっていいこと」を話し合うのですが、この「子どもにとっていいこと」という価値観が夫と妻で違うのです。
お母さんは、「やっぱり沢山勉強させて、習いごとをさせて、子どものうちにいろんなチャンスを与えてあげたい」と考える傾向にあるし、お父さんは「塾や習いごとばかりに行かないで、子どもなんだから自由に遊べばいいんじゃない」と思いがちです。この場合、一番いいのは、大枠の役割分担を決めることです。
普段のしつけについてはお母さんがメインで、教育方針の方向性についてはお父さんがメインで担当するというように、話し合って決めていきます。そして、夫婦の役割を決めた上で、絶対にダメなことと許容できることを決めていくのです。
思春期の子どもには、思春期特有の悪いことをしたくてしようがない衝動があるのですが、この衝動が自我の形成において必要です。
だから、この時期に子どもは悪いことをするし、親に嘘をつくし、いろんなことが起こります。
これは、子どもが一人前の大人になるための通過儀礼として、あっていいことなのです。
そのなかで、絶対にやってはいけないことと許容することを決めるのが大切です。
あるお父さんは未成年の息子に「外で隠れてタバコを吸うぐらいなら、お父さんの部屋の灰皿で吸いなさい」と言いました。
子どもにしてみれば、家でタバコを吸ったところで、隠れて吸っているわけではないから、スリリングでもなんでもないのです。逆に子どもは好奇心から何回かタバコを吸ったものの、「もういいや」とすぐにやめました。
子どもの悪いことをしたいという衝動を許容した上で、「外で吸ったら警察に捕まるから家で吸いなさい」と言う。社会のルールを教えるのは、父親のほうが教えやすいものです。
親が許容することと絶対にだめなことを言うことによって、子どもは大人としてのバランスを身に付けていくのです。
もちろん、お父さんがいない家庭の場合は、お母さんが社会的なことを教えていけばOKです。
夫婦が子どもについて、月に1回は話し合う日を決めることも大事だと思います。まずは日を決めないと、夫婦ともども忙しいので、なかなか話し合う機会が持てません。
月に1回でも話し合って、部分合意を重ねていくことで、ものごとは進んでいくものです。