2023.03.01
それでは、目標に向かって「行動」「感情」「存在意義」のどれかひとつでも破綻している 例を具体的にみていきましょう。
あまりに忙しくて時間がなかったり、やるべきことがたくさんあり、わけがわからなくなっ て、「行動」で破綻してしまっている場合はどうなるでしょうか。
基本的に「忙しい」という人は頑張っている人が多く、総じてやる気は高い人が多いです。
ただ、忙しくなってしまっている「行動」が「感情」や「存在意義」と繋がっていないのです。
「やらなきゃいけないから、やっている」という気持ちになるのです。
そうすると、やってもやっても、自分のなかには何も得られないから、疲れきってしまいます。
やる気を維持するための「感情」のなかで、もっとも大切なのは、「達成感」や「自己肯定感」です。「達成感」や「自己肯定感」という「感情」が私たちのやる気を助けてくれるのです。
「達成感」もなければ、「自己肯定感」も得られないとなると、そのうちに「いったい何のために働いているんだろう。もう、やっていてもしようがない」と思うようになります。
仕事は次々と舞いこんでくるので、やらなければ溜まっていく一方だから、やっている。
でも、この仕事に自分の「存在意義」を感じているかというと、そうでもない。
要はお金のためだけに働いている――。
この場合、行動力はものすごくあっても、「感情」や「存在意義」も伴わないので、どこかでやる気が急速に落ちます。
最初はやる気が起こらなくなってきても、何とかやろうとするのですが、そのうち朝は起きられなくなるし、月曜日に出勤するのがいやになるのです。
このようなメンタル不全にな る人は、やるべきことや、やらなければいけないことはわかっているのに、自分の「感情」と「存在意義」がないのです。
これが「行動」だけがあって、他が備わっていないためにバランスがとれていない場合です。
一時的にはよくても、いつか破綻したり、ミスが多くなる場合もあります。
少し余談になりますが、仕事が忙しいと感じている人は、特に「完了感」や「達成感」が ない場合が多いです。
やはり、人はやり終えた仕事よりも、残した仕事や、達成できていな 仕事を思い出して、疲れてしまうのです。
これは仕事を体系立てて考えていないために、「完了感」や「達成感」が一向に得られず、 「忙しい」と心に負担に感じているのです。
おそらくほとんどの仕事は、あるゴールに向けて、いずれも関連性があり、一連の流れがあるはずです。
スタートからゴールまでの流れのある作業は、着実に前に進んでいることが 自覚できるので、忙しなく感じたり、負担になることもありません。
反対に、全く関連性のない複数の仕事をこなそうとすると、負担に思えたり、量が多く感じるものです。
これをマラソンに例えると、ゴールまでの道筋がイメージできないために、途中でくたくたになり、歩いてしまうようなもの。
会社に「走れ」といわれるから、走るものの、コース 下見していないマラソンランナーと同じ状況なので、疲労困憊になるのです。
多忙で精神的にも負担を感じている人は、仕事を規模や量で考えるのではなく、「流れ」 で考えるようにしましょう。
そうすれば、「忙しさ」という、心への負担はなくなります。