2023.04.15
今回は前回の記事でお話をした3つの「問い」について、ここからは少しずつ細かく説明しましょう。
まずは、「役割」についてです。役割に優劣は実はありません。 補欠の選手もエースの選 手も同じであると、チームスポーツでは教えているはずです。
ただ、それでも本人達がなんとなく感じる優劣のようなものはあります。
野球チームなら ピッチャーや4番バッターをやりたいし、外野手より内野手をやりたい、といった役割のな かにある優劣のようなものは存在します。
とはいえ、みんながピッチャーや4番バッターで は、野球はできません。
大事なのは、自分が自分のできる役割の一番になることです。
外野手であれば、ピッチャーと比べる必要はなく、外野手の一番になればいいのです。
たとえば、イチロー選手は基本的には、4番バッターではないし、ピッチャーでもありません。
しかし、世間から尊敬され、讃えられる存在です。
イチロー選手は、ホームランをバンバン打つほうではないので、パワーを重んじていたひと昔前であれば、どちらかというと 下に見られるタイプだったと思うのです。
でも、イチロー選手は、体は大きくはないけれど、安打を重ねてくれます。
俊足を活かして、 必ず塁に出てくれます。
私達はむしろ、ホームランより内野安打に感動しているぐらいです。
また外野を守っても、俊足ゆえに守備範囲が非常に広いです。
だから、イチロー選手は、 ピッチャーや4番バッターなどの花形のポジションでなくても、どの役割においても、トッ プの選手になれることを実証してくれているのです。
もし、自分と人をやみくもに比べて、4番バッターやピッチャーになりたがっていたら、 今のイチロー選手は存在しないでしょう。
イチロー選手のように自分の個性をきちんと受け入れて、自分ができる役割で、しっかりと一番になることがすごく大切だと思うのです。