2023.06.01
チームのなかの人が本当に正しいことを言っても、チームが強くならないことがあります。
もちろん、正論には説得力があります。
しかし、正論がチームをよくしないことが往々にしてあるのです。
たとえば、チームで新しいプロジェクトを始めようとしたときに、チームのなかで「それが成功する確証はあるのですか」と言い出す人がいます。
もちろん、新しいプロジェクトなので、成功を収める確証はどこにもありません。
「プロジェクトが成功する確証はあるのですか」
「確証はないです」
「確証がないのにリスクを負うのですか」
こうなると、チームとしては何もできなくなるのです。
もちろん、この人の意見は正しいです。
しかし、何も成長しない、何も新しいことを始められないチームになってしまいます。
古い体質の大企業がだんだんと衰退していくのは、この典型です。
ものごとの正しさとは、ありとあらゆるところに存在するので、厄介なのです。
スポーツ のチームのなかにも正しさはたくさん存在します。
「サプリメントを飲んだほうが強くなる」
「サプリメントを飲んでもあまり変わらない」
これも両方が正しいのです。
結局、チームのなかの正しさを決めているのは、チームのなかの影響力がある人です。
チームに影響力がある人が「サプリメントなんて、飲んでも飲まなくても一緒だよ」と言うと、「いや、そうじゃないよ」と思う人がいても、チームとしてはそうなってしまいます。
実は、チームに影響力があるひとりが語る正論がチームのさまざまな選択肢や可能性を潰していってしまうのです。