気合いと根性でメダルは獲れない

2023.06.19

オリンピックに出場するレベルの選手がフラフラになるまで疲れてしまってから、「あと 何本かダッシュするように」とコーチに言われたとしたら、それはもう部活動のようなものです。

学生の部活動のときならば自分の限界をさらに越える根性をきたえるのはいいことです。

ただ、オリンピックのアスリートがオーバーワークをして、ケガのリスクを抱えたり、腱でも傷めてしまったら、全く話になりません。

気合いと根性を見せても、目標としているメダルは獲れないのです。

だから、根性論にこ だわるのではなく、物理的にも、物量的にも、勝つ方法を考える必要があります。

どの練習がどれだけの量必要なのか、何が適切なのかを考えるのです。

そうやって考えた適切さのなかに、「ちょっと負荷がかかったとしても頑張る」というアスリートや日本人が 好きな精神論をほんの少し付け加えれば、すごくいい結果が得られるはずです。

気合いと根性を信じる人は、ものごとの適切な物量を否定していますし、実際にものすごく高揚感のある負け戦ばかりをしています。

よく「吐くまで根性を見せろ」と言う人がいるのですが、吐いても吐かなくてもどちらでもいいのですが、成果が出るトレーニングをする必要があります。

あえて言うなら、吐くより吐かないほうが体に負担はないのです。

気合いと根性は、仕事の結果を見て、第三者が言うことであって、自分で言うことではありません。

だいたい根性を見せようと思った時点で、心が折れている

。だから、心が折れている人の負け戦の言い訳になってしまうのです。

気合いや根性は、具体的なものではありません。

具体的ではないことはやはり形にならないし、結果にも表れないのです。

自分がやっていることが本当に適切なのか、冷静に見つめ直し、取り組んでいかなくてはいけません。

たとえば、陸上選手がよく出走前に自分の体を叩いています。

本人が「筋肉に刺激を与えられて、なんとなく体がいい状態になるんです」と言う場合はいいです。

でも、本当の理由は、叫び出したいぐらい緊張しているのに、叫べないからああいう風に叩いているのかもしれません。

その場合は、緊張が問題なので、体を叩くよりも深呼吸を3回したほうがいいのです。

そういった細かいことを検証しないまま、なんとなく気合いと根性に包んでいたら、0.01秒を争う競技には勝てません。

漠然とした具体的でないものに頼るよりも、成果が出る適切なトレーニングをしていくほうが結果を出せるし、真に強くなっていけるのです。

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