2023.01.14
負けた時にどう考えるかは非常に大事なことだと思います。
たとえば、子どもが一生懸命練習をしてきたけれども、試合ではコテンパンに負けてきました。
試合前の元気は見る影もなく、子どもはとても落ち込んでいます。あなたが親の立場であれば、何と声をかけますか?
「落ち込んでいてかわいそうだからそっとしておく」
「かわいそうだから好物の料理を作る」
「『お前が弱いから負けたんだ』と言う」
ある時、子どもを持つ人に質問してみたら、みなさん悩みながらも、さまざまな答えを返してくれました。
今回は試合で負けたことを次に活かしていく秘訣をお話をしていきたいと思います。
これらの声がけによって、落ち込んでいた子どもは、どういう心の動きをするのか、解説してみましょう。
まず、そっとしておくと、子どもは「負けるのはまわりに気を使わせる悪いことで、落ち込んだ顔をしていたら、人は何も言ってこない」ことを学びます。
好物の料理を作った場合は、子どもは「負けるのはまわりに気を使わせる悪いこと。でも、負けるといいことがあったり、親切にしてもらえる」と学習します。
最後に「お前が弱い」と言われた子どもは、力で押さえこまれた状態です。子どもが成長して、親と力関係が逆転した時に、大きな反発があるかもしれません。
親の何気ないフォローや叱咤激励ですが、子どものメンタルには大きな影響をおよぼすのです。
大事なのは、子どもに「負けたのは悪いことではない」「あなたが落ち込む必要もない」と伝え、次はどうやったら勝てるか考えさせることです。
「次はどうやったら勝てると思う?」
「勝てっこないよ。向こうは大きいし」
「勝ちたいの?勝ちたくないの?」
「勝ちたい」
「じゃあ、どうやったら勝てると思う?」
「もっと体力をつけて、大きくなったら勝てる」
「だよね。じゃあ、そのために何をする?」
「うーん、ご飯をちゃんと食べる!」
「いいね。もっと大きくなったら勝てるよ。楽しみだね」
子どもにいろいろと考えさせるようにしてください。
すると自然に次の目標ができます。そうしたら、ご飯をちゃんと食べたり、自ら進んで練習するようになるのです。
ここで、大人が先回りをして、「遺伝的に小柄な家系だから無理」とわざわざ言う必要はありません。
そういった正論は、子どもの可能性を摘んでしまいますし、大人に近づくにつれ、やはり自然と学んでいくものです。
それに不思議なもので、ちゃんとご飯を食べて、しっかり寝て、毎日「大きくなれる」とイメージトレーニングをしていたら、案外大きくなるものです。
負けた時こそ、大チャンスと考えてください。
負けるのはつらいことです。
でも人間、負けて真剣に落ち込んだ時ぐらいしか変われません。
勝っている時には変わるきっかけも勇気も持てないものです。それに負けは負けでしかありません。別に悪いことでも何でもないのです。
だから逆に、こうともいえます。
負けただけなのに、「かわいそう」と思ってはダメなのです。
子どもが負けて悔しくて落ち込むのはいいことです。
なぜ、悔しくて落ち込んでいるのでしょうか?本気で「勝てる」と思っているから落ち込むのです。
「勝ちたかった」と思う気持ちは、その子の大切な自己肯定感です。だから、それをK強化してあげるといいのです。
「次は勝てると思う?」
「勝てる!」
思春期以上の大人であれば、今の親子のやりとりを自問自答できます。
負けた時こそ、今までの自分の試合運びや技術、さらにはメンタルなど、あらゆることを高めるチャンスだととらえましょう。