オリンピックに出場した田中兄弟に見る子育てのポイント

2022.09.30

ある競技で金メダリストの兄を持つ弟のメンタルトレーニングをしていた時に、「やっぱり比較されるんです」と言っていたことがありました。

もし、お兄さんと比較されるのが嫌なら同じ競技をするのはお薦めできません。しかし、子どもの頃から環境的に家族全員が同じ競技をしていて、それ以外はできないという場合もありません。

よくできた兄や姉を持つと、下の子達はオリンピックに行くのは当たり前で、銅メダルだったら、お兄ちゃん以下という状況になってしまうのです。では、親としてどんな風に子どもと接したらいいのでしょうか。

結果を求めずに「楽しんで」と送り出すことが大事

たとえば、体操の田中兄弟(田中和仁、理恵、祐典)は、3人全員がオリンピックに出場しました。よく見かけるスポーツ一家はオリンピックに対して、ストイックなのですが、田中兄弟はどんなにお会いしてものびのびとしていました。

お父さんはいつも「試合は楽しもう」「とにかく楽しんで帰ってこい」と言っていて、3人とも生き生きとしていて、性格も所属クラブもまったく違います。

他の選手は、家族に有名な選手がいるとどうしても小さい頃からああしなさい、こうしなさいとしつけられているので、みんなガチガチになってしまう場合が多いのです。

でも、田中兄弟の場合は、たとえ同じ競技をやらせていても、比較をしないで、みんなそれぞれだからね、という雰囲気が家庭のなかにあったのだと思います。

また、親が子どもに結果を求めて、「金メダルを取ってこい」と言うのではなく、「試合を楽しんでこい」と言う親だからこそ、逆に結果が出ているところがポイントです。

親が子どもに結果を求めると、子どもには当然プレッシャーがかかって、のびのびとできず、実力が発揮できません。

親は子どもに結果を出させたいのに、逆にのびのびとやらせていないというわけです。

親が結果を求め始めると、子どもにはプレッシャーがかかるだけで実力が出せません。そのため、親は子どもに対して、他者と比較せず、結果を求めずに「楽しんで」と送り出すことが大事なのです。

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