『通信制高校』を考える(1)

2023.06.04

私(現在50歳)にとって、高校時代は人生においてかけがえのない時間でした。
野球部に所属し、毎日プロ野球を見て、あこがれの選手を真似て、練習して、
田舎で終電が早かった(20:20!)ため、10キロの距離を自転車で通いました。
高校の仲間のお陰で、思い出という私の人生にとって最高の宝物になりました。
近所に塾もない、欲しい参考書も近所には売っていない。そんな私には、
まるで家庭教師のように、放課後に指導してくれた学校の先生たちがいました。
30年以上の年月が経った今、インターネットの普及をはじめとする社会の変化は、
そんな私の高校時代を、昭和末期の“おおむかし”の話にしてしまいました。
私は13年前に『通信制高校』に出会い、その事業にも関わってきました。
ほとんどの高校生は『全日制高校』に通うのだと思いますが、
ここ数年で、『通信制高校』を選ぶ子ども達は増えており、今や20万人以上。
高校生の6%が『通信制高校』にかよう高校生となりました。
これには、いくつかの理由があると思います。
1. 不登校…コロナ禍をはじめ多くの理由で不登校生が増えています。
私が思うに、実質的には中学3年生の4%(25人に1人)が不登校。
自分のペースで学び、集団行動を強いられない通信制は選びやすい。
2. 単位制…全日制では、成績や出席日数が足りなければ留年する可能性があります。
通信制高校は“単位制”なので単位を取得すれば卒業することができます。

※高等学校には36カ月通わねばならないので、飛び級はできません。
3. 部活の変容…“インターハイに出て、スポーツの世界へ”というのは昔話。
幼い時からクラブチーム等に入るという種目も少なくありません。
中卒でスポーツに邁進し、仮にケガなどしたら人生どうなるのか?
そういったことから通信制高校を利用するアスリートも増えました。
4. 自分らしさ…国家が発展途上時には、全国民が画一的な教育を受ける方が合理的。
しかし今の日本は成熟期であり、教育のカタチも多様化しています。
通信制高校に通って、難関大に合格したり、公認会計士に合格する、
もしくは起業して、高校生でありながら社長を務める生徒も居ました。
自分らしい高校時代を築く10代は今後も増加していくと思料します。
『通信制高校』は、決して“仕方なき選択”ではない。
あらゆるものが急速な変化をしている今、先入観や偏見を捨ててみることか。

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