親は無意識に子どもを「比較」している

2022.09.28

親は子どもを結果で評価してはいけないとわかってはいても、なかなか難しいと感じられる方も少なくないのではないかと思います。頭ではわかっていても、ついやってしまうときにどんな風に対処していけばいいのでしょうか。

子どもと他者の比較はしないと決めること

実は親は子どもが生まれた瞬間から、我が子と周りの子の発育を比べている場面が多いものです。

育児雑誌に書いてある「標準」に合わせていくことが親の仕事だと思い、子どもの発育が遅れると、急ぎ立てられるような感覚に陥るのです。

基本的に、人間は比較をする生きものです。たとえば、洋服を買う時もデザインや値段など、いろんな要素を比較して選んでいます。

親は子どもだけを比較するのではなく、比較し、選択し続けることが日常の一部となっているのです。

子どもに関して言えば、他者との比較は全く意味がありません。

兄弟で弟のほうを勉強させたい時に、「お兄ちゃんはできていたよ」と比較して声をかけても、子どもが勉強への意欲をかき立てられることはありません。

弟が「お兄ちゃんがうらやましいな」とは思っても、実際に兄と同じことはできないし、追いつけるわけではありません。

むしろ、弟は「お母さんはお兄ちゃんのことが好きなんだな」「お兄ちゃんばかり、かまってるよね」「頭がいい子が好きなんだな」などと解釈し、純粋に勉強に意欲が向かずに、自分もお母さんにかまってほしいという目的にすり替わってしまう可能性が高いです。

こういった立場に置かれた弟が自分も親の関心を引きたいがために、グレたり反抗するという構図は、よくあることです。

だから、子どもに関しては、他者との比較をしないと決めることです。とはいえ基本的に、私達の「比較」のアプリケーションは、初期設定の段階から存在するものです。

自分で「これは要らない」と決めて、比較のアプリを頭のなかから削除をしないと、日常のなかで自動的に立ち上がってしまうのです。

子どもと他者の比較はしないと決め、比較をしても、何の意味もないことを心に留めておくことが大切なのです。

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