💡10歳という節目

2023.06.12

『十有五にして学に志す(志学)』というが、私は10歳がターニングポイントだと思う。

この10歳(9~12歳)の時期に、子どもの脳内で色々なことが変化するからだ。

1. 記憶の臨界期
これまでの著書でも、何度も触れてきたことではあるが、
10歳前後が『記憶の臨界期』と言われる時期にあたる。

簡単に言えば、丸暗記が得意な脳から論理的思考により記憶する脳への脱皮。

それまでは丸暗記が得意な脳だから、「掛け算九九」も小2で簡単にできてしまう。

もし小6で「掛け算九九」を初めて覚えようとしても苦戦することは必至。

文章のフレーズなんかも、初めは真似をするところから始まるので、
10歳までに読書していなかったり、家族の会話が少ないと、文章作りが下手。

文章作りが下手だと、論理的に思考できないので、10歳以降、記憶に苦戦する。

2. 集団の中でのポジションを気にする時期
10歳前後で「反抗期」に入る子どもも少なくない。

この時期の「反抗期」は、集団の中でのポジショングを気にしてのことと思料。

『自分は、家族の中で、どんな位置づけなのかな?』
『家族や、クラスの人たちは、自分のことを認めているのかな?』
『自分と、友だちのOOさんとは、どっちが上かな?』
こんなことを気にし始める。他者との相違点も意識する時期なので、
「いじめ」もこの頃に始まりやすいのではないかと思う。

10歳までに行うべきこと(丸暗記、読書、などなど)を、やり漏れていた場合、
10歳を超えてから、同じ方法でやり直すのは、時間と労力の無駄になるのは必定。

しかし、個別に丁寧に指導をすることで、それは十分にリカバーできるものである。

ちなみに、母国語の臨界期は6歳前後だが、小4くらいに初めて英語に触れた子も、
大学受験を迎える18歳頃までにネーティブ並みの英語力を身につけることは可能。

子どもの個性、特性、興味の対象、年齢、家庭環境や費やしている時間などなど、
個別の状況にあわせた学習方法をとることが必要。

OOOさんは▲▲塾でうまくいったとか、他者の成功譚を参考にはしてもよいが、
わが子にフィットするかどうかは保証できない。これが学習方法の難しいところ。

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