代わりに落ち込むのもNG

2023.10.11

私が「自分はがんで」とカミングアウトしたときに大きく落ち込んだ人がいました。

スタッフの中にもがっくりと落ち込んでしまう人がいました。

だけど、そんな人を見ると、「大丈夫、泣かないで。私は元気だから」と、自分が励まさなければなりません。

いや、つい、そうしてしまうのです。そして疲れる。体力と気力がない中で、これはしんどいです。

もちろん、それだけ私のことを思ってくれ、大切にしてくれているからこそ、涙を流したり、 落ち込んだりするのだと思います。

患者である私自身が涙を流して号泣しているなら、一緒に泣いてハグし合うことはとてもよい と思います。しかし私は別に涙も流していないし、大きく悲しんでもいない、絶望もしていない。

そんな状態の中で落ち込まれると、この人には言うべきではなかったなと思ってしまいます。

外部の人からもSNSを通じて、「とても悲しいです」「とてもつらいです」と、同じような言葉を連呼してメッセージをくれる方もいました。

だけどそういっった人の心のケアまでする余裕もなく、「ごめんなさい」と言っていいのか、「ありがとう」と言っていいのか、対応に困りました。 何ともいえない気持ちで、そのメッセージをスルーしてしまったことを覚えています。

落ち込む気持ちはわかりますが、落ち込む姿をわざわざ当事者に見せる必要もないし、それを本人に訴える必要もないのではないかと思いました。

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