2022.10.30
少しずつ社会を知っていき、有意義な思春期を過ごすため、お父さんの趣味や職場見学を体験する以外には、学習的で
一人でできるようなことをするのもいいです。
子どもが将来どんな大人になるのかは、思春期からが勝負です。
今回は、思春期の子どもがどんな風に過ごしていけばいいのかについてお話をしていきます。
たとえば、近所でバーベキューが開催された時に、大人のように自分の役割をきちんと持って、まっとうして帰ってくることもひとつです。
お兄ちゃん、お姉ちゃんであれば、小さい弟や妹を連れていって、きちんと世話をするように頼んでおきます。
そうすれば、ひとりで行くよりも遥かに負荷がかかります。
それをやり遂げることで、子どもはかなりしっかりして帰ってくるのです。
ボランティアをすることもお薦めです。
引きこもりの子を持つ親が「この子は将来働けないかもしれない。どうしましょう」と言った時に、「学校には行けなくても、ボランティアに行けたら働けますから。養護施設にボランティアに行かせてください」と話しました。
親は「でも、この子はまだ13歳です」と言うので、「車いすも十分押せますし、おしめを替えたり、体を拭いたり、何でもできるんじゃないですか?」と伝えました。
ボランティアができる子どもは、社会でも本当に働けるものです。子どもが引きこもってしまうのは、結局学校しか社会がないからです。
子どもには学校と家しか生きる場所がないため、学校がだめだった場合に、残された選択肢として家に引きこもることになるのです。
大事なことは、学校と家だけではなく、それ以外の世界を作ることです。
子どもが親以外の大人と接したり、気を使う場所に出かけるのもいいでしょう。子どもは、そういう場で大人になるための自立のステップを踏んでいきます。
ボランティアなどの場が社会人としてのモデルケースになれば、一番いいと思うのです。
最近、お母さん達から「子どもが大きくなってから、前ほど甘えてくれなくて寂しくなった」とよく聞きます。
これは3歳の子どもも18歳の子どもも同じように扱い続ける、親のよくないメンタリティです。子どもが大人になることを妨げてしまいます。
子どもが8歳以上になったら、大人になっていくチャンスを組み立てて、実行していってください。子どもが将来どんな大人になるかは、思春期からが勝負です。
お母さんは「子どもが甘えてくれなくてつまらない」と言う。お父さんはひとりで趣味に没頭して、お母さんはお父さんの悪口ばかり言っている。これでは、子どもが大人になりたくなくなるわけです。
それから、思春期に子どもが反抗的な言葉遣いをするのは当たり前のことです。子どもが自我をきちんと確立して、自立していくためには、一旦親の庇護を打ち破っていかなければいけません。
子どもが一生懸命、親の庇護を破ろうとしているのが「うるさい」「あっちに行って」「かまわないで」という言葉になるのです。
親は思春期を受け入れ、子どもが大人になっていくステップを組み立ててあげて、その家庭を一緒に楽しんでいきましょう。