2023.12.13
アンジェラ・リー・ダックワースの著書『やり抜く力 GRIT』では、アメリカでマッカーサー賞 (天才賞)を受賞したひとりのジャーナリストのことにも触れています。
その人物の名は、タナハシ・コーツ。
2作目の 著書『世界と僕のあいだに』(慶應義塾大学出版 会)は2015年度の全米図書賞を受賞し、大ベス トセラーとなりました。
しかし、このコーツ氏はなんと8年もの長い間“無職”だったといいます。
なんとか無職を脱して「タイム」誌で仕事をするも、一時解雇されてフリーランスに。作家になるという夢を抱きながらも、仕事はなかなかうまくいきません。
幼い子どももいたため、生活面の不安も大きな夢の前に立ちはだかりました。
スランプに陥ったコーツ氏は心身ともにボロボロになりますが、それでも筆を取り、力を振り絞って本を書き始めます。
そうして苦しみもがきながら創作活動を続けた結果、栄誉ある賞を受賞するという未来をコーツ氏は勝ち取りました。
無職であったこと、解雇されたこと、生活不安 を抱えていること・・・・・・そんな状況に置かれたら、 「夢なんてあきらめてなんでもいいから食べていける仕事をしよう」と考えるかもしれません。
周囲に相談しても、同様のアドバイスが返ってくる でしょう。
しかし、コーツ氏は“何度も何度も嫌というほど失敗した”ことこそが、自分の作品には重要だったというのです。
生活苦のために途中で筆を折っていたら、彼の未来にマッカーサー賞を受賞するという未来は訪れませんでした。
挫折のその先に力を発揮した 「やり抜く力」の強さが、“作家になりたい”と望 んだ未来を連れてきてくれたのです。
何度も挫折を繰り返し、生活にも困窮していた彼を「成功者」と呼ぶなら、あなたもこれから
「成功者」になれます。
もし彼のことを「天才」だと思うなら、あなたも今から「天才」になれます。
今成し遂げたい目標があるのなら、育った環境 や年収、年齢に関係なく、「やり抜く力」は取得できるものだからです。
あなたが人生という長いマラソンを走り切り、 なにかを成し遂げたいと思うのであれば、必要になるのは、才能よりも「やり抜く力 = 長期的な 目標に向けた“情熱”と“粘り強さ”」です。
やたらと才能の有無にとらわれて自分を過小評価す るとこの単純だけれども重要な真実を見逃してしまいます。