2022.12.01
過干渉の親は、実は世の中の親のほとんどがそうではないかと思うぐらいに多いです。逆に過干渉ではない親のほうが珍しいぐらいです。
今回は、子どもに対してつい過干渉になってしまう親御さんに向けて、どんな風に対処していけばいいかについてお話をしていきたいと思います。
親の過干渉とは何かと言うと、子どものことを全部知っておきたい、何でも把握しておきたいと思って
しまうことです。
過干渉は、程度の差こそあれ、残念ながら子どもの自立を阻んでしまいます。そして、さらに残念なことに、子どもに対して、”肯定的に”に干渉する親は少ないです。
たとえば、子どもの友達には、頭のいい子と野球部のキャプテンと茶髪の不良っぽい子がいる、という親が聞きました。
母干渉の親の場合は、子どもの友達を評価して、「ひとり目とふたり目はいいけど、3人目はやめなさい」と言い出します。
子どもにしてみれば、「知らないくせになんだよ!いい奴なんだよ」と思うはずです。
まず、評価するのではなく、子どもを信じることです。
「信じる」ということは、「信じられる」と違うのです。
「信じる」とは、正確に言うと、「信じると決める」ということです。
逆に「信じられる」とは、あくまで状況証拠次第のゆるいものです。
たとえば、選手が「オリンピックに行きたい」と言った時に、メンタルトレーナーの最初の仕事は、選手を信じることです。
選手には「行ける、行ける。絶対行ける」と言います。選手に「なんで行けると思うんですか?」
と聞かれたら、「いや、あなたが行きたいと言うなら、行けます。行くために何をするのか考えましょう。私は信じています」と言うのです。
でも、状況を判断したから「信じられる」と思うのではなく、「信じると決める」ことが大事なのです。
子どもを信じたいお母さんは沢山いるけれど、信じていないお母さんも沢山います。しかし、親が子どもを信じていないと、子どもは自分のことを信じられなくなるのです。
だから、親は子どもの何を信じているのかを明確に言わなければいけません。
「人を傷つけるようなことはしないと信じているよ」
実はただ信じていると言うだけでは、子どもはプレッシャーをかけられたと思うだけなのですが、何を信じているのかを言うと、子どもの目標設定になるのです。
思春期の子どもに絶対にやっちゃいけないことを教えて「そういうことは絶対にしないと信じているよ」と伝えておけば、親の目を盗んで遊びに行って、多少お酒を飲むようなことがあっても、変なところには行かずに帰ってきます。
だから、子どもの何を信じるのかをしっかりと伝えて、「信じると決める」ことが大事なのです。