2023.04.24
今回は、相手の話を聞きたくなるために必要なポイントについてお話をします。
人の話を聞くときは、「あなたの言うことをちゃんと聞きますよ。耳を傾けますよ」という態度が肝心です。
相手の話に丁寧にうなづいたり、相槌を打ちながら、きち んと聞きましょう。
また、多くの人が他人の話を聞くのが嫌になるのは、相手の話から何か問題が出てきたときに、必ず解決しなければならないと考えているせいです。
問題を解決するにはエネルギー が要りますから、億劫になるのは当然です。
しかし、問題は必ずしも解決しなければいけないわけではありません。
人それぞれの考え方や価値観があるような事柄の場合は、解決する のではなく、聞きっぱなしにしておきましょう。多くの問題は、他人が解決するものではなく、本人がするものです。
ものごとを決めているのは他人ではなく、自分だからです。
たとえば、部下が上司に「うちの会社って最低ですよね」と言いました。
ここで上司が「いやいや、それは違う」と否定すると、部下は話を聞いてもらっている感覚になりません。
かといって、部下の話を適当に聞き流して、誠実に聞かないのも問題です。
ただし、人の 話は聞きっぱなしにして解決しようとしなければ、いくらでも聞けるものなのです。
「うちの会社って最低ですよね」
「あなたは、そう思うんだね」
「部長はそうは思わないんですか?」
「僕は別にそうは思わないよ」
要は相手の意見に同意する必要はなく、「あなたはそう思うんですね」と一旦受けとめることです。
人それぞれの考えがあっていいのです。
だからこそ、チームのリーダーであっても、個人としてなら、人は意外になんでも言っていいものです。
「これは僕個人の意見だけど、色々とあるとは思うけど、うちの会社もまんざらではないと 思うんだよね」と自分個人の意見を言うのもありです。
あくまでも個人の意見だから、相手も否定する理由がないし、どちらの意見が勝っているか競う「パワーゲーム」のような会話にもなりません。会話がパワーゲームになると、いかに会社が最低か、逆に最低でないかを立証する会話になり、お互いに疲れるだけです。
価値観は人それぞれなので、チームにたくさんの価値観があって当然。だから、価値観を同じにする必要はありません。
逆に人は自分の価値観やポリシーを否定されると、チームから離れたくなるものです。チー ムの目標が同じで、それが達成できれば、個々にどんな価値観があってもいいし、共存していけばいいのです。