金メダルを獲るチームの空気感

2023.05.03

体操の金メダリストの米田功さんは、アテネオリンピックの前に、チームに漂う空気感に気をつけたそうです。

実はオリンピックの前は、最終選考会でオリンピック出場が決まると、 地元などで、日本を出発するまでさまざまな祝勝会が続きます。

そうしたお祝いムードのなかで、選手も浮足立った気持ちになりやすいのです。

「このままではチームは勝てない」と感じたキャプテンの米田さんは、誰よりも早く練習場に行って、 練習の最初から本番のような集中力を持って、 しっかり取り組んだそうです。

あとから練習場に来た後輩達は、米田さんの様子を見て、「まずい」と察し、慌てて練習 を始めます。

アスリートは基本、負けず嫌いです。

そのため、米田さんが最初に練習に集中して取り組む空気感を作ることによって、周りも負けず嫌いの性質を発揮して一生懸命取り組み、とてもいい練習ができるそうです。

チームのひとりが空気を作ればいいのです。

このとき、自分のチームメイトを意識の低い、 できない人として扱うのではなく、意識の高い、できる人として扱うことも大切です。

米田さんもチームメイトの意識が低いから、自分がお手本を見せるというような感覚ではやっていません。

あくまでも意識の高い、できるあなた達だからこそ、今の状況はふさわしいかどうかを考えさせるのです。

米田さんの場合は、言葉にするのではなく、普段の練習の 姿勢で見せていって、チームの空気を引き締めたのです。

それから、チームメイトに「金メダルを獲ろう」と押しつけたわけでもありません。

食事中などのリラックスしているときに「どうしたら金メダルが獲れると思う?」とひとりひとりの意見をきちんと聞いていくことで、金メダルを獲るためにやるべきことだけでなく、目 標に向かうチームの空気感も作っていったのです。

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