必ずしもリーダーをたてる必要はない

2023.06.23

今の若い人達は、リーダーになりたがらない傾向にあります。

リーダーになると責任は負わされるし、今まで同僚だった人とはギクシャクするし、なんとなくみんなに仲間はずれにされる感覚もあって、あまり楽しくなさそう、という印象があるのです。

しかしひと昔前までは、会社の組織において出世を目指すことは当たり前でした。企業が収益を上げることによって、みんなが上へ上へと行けていたのです。

個人もリーダーになれ ば、たくさん稼げるし、ある程度の影響力も与えられます。

景気がいい時代は、個人にも企 業にも成長願望が当たり前にあったのです。

ところが今の時代は企業の成長どころか、会社が潰れないために生き残りを賭けているようなところがあります。

そうなると、リーダーも討ち死にを覚悟する負け戦の大将のような もので、どう見ても楽しくはないのです。

また、リーダーになれば、仕事量が増えて責任は重くなるけれど、待遇はそんなによくな いという現実があります。

チームのメンバーも、なんとか今の危機を突破して生き残っても、先々にあまりいい生活は待っていないんじゃないかと思っています。

そんな厳しい社会のなかで、チームのリーダーになりたがる人はいないのです。

改めて、みんながこれからの新しいチームや組織というものを考える時代が来ているといえます。

今の時代のチームでは、必ずしも管理する側と管理される側という構造にもならないし、なってはいけないと思います。

たとえば、企業は女性のパートの方にリーダー的な役割を担わせません。

企業のトップからすると、「女性でパートだから」という感覚があるようです。

でも、本当にそれでいいのでしょうか。

とある健康食品の工場は、多くのパートの女性達によって、仕事が成り立っています。

みんなのモチベーションが上がらときに、上の人達は工場が殺風景だから、ディスプレーをするため、予算を出そうとしました。

私は何かを与えるのではなくて、工場の壁の一角を自分達で使っていいから、どういう職場だったらやる気が出るのか考えさせたほうがいいと助言しました。

あるパートさんの仕事へのモチベーションは食の大切さで、孫に安全でいいものを食べてほしいという思いから健康食品の工場に勤め始めたそうです。

この人の場合は、職場の壁に孫の写真を貼ったら、モチベーションが上がりました。

ひとりひとりのやる気を引き出すモチベーションの種は、その人のなかに必ずあります。

だから、なんでも与えるのではなくて、自分のなかにある仕事へのモチベーションの種はなんなのかを考えて、引き出すことが大事なのです。

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