今の時代に即したリーダーの作り方

2023.06.24

この工場ではさらに「今よりももっと職場をきれいにしようキャンペーン」のリーダーを決めました。

だいたいパートの方にリーダーをお願いすると、「ええー? なんで私ですか?」 とおっしゃいます。

ここでリーダーをお任せする人は「チームに影響力があって、決してポジティブではない人」です。

元々ポジティブな人であれば、わざわざリーダーをお願いしなくても、みんなが慕っていて、すでにチームのリーダー的な存在になっています。

だからこそ、リーダーをやるのは「やたらと影響力があるけれど、決して前向きではなく、しょっちゅう周りに不平不満を言っている人」なのです。

「この会社、どうなのかな。もうちょっときれいにしたほうがいいよね」 「おっしゃる通りです。

では、会社としてはもっときれいにすることをぜひやっていきたいと思います。

ですから、クリーンリーダーをお願いしてもいいですか」 こうして色んな役割に応じた個々のリーダーを作っていって、任せていけばいいのです。

チームのトップから見て、チームの強化したいところは必ずあるはずです。

先ほどの工場の 環境の美化や、売上を強化したい場合もあります。

何にせよメンタル面が絡んでくる部分の 強化は意外と難しいので、どの会社も苦労しています。

工場がきれいでないからみんながイライラしている、と文句を言っている人もいます。

ここで手当や罰則を設けたり監視カメラなどを置いても、一向に片付きはしません。

こうした問題はメンタルが絡んでいて、その環境にふさわしい自分かどうかがすごく大切です。

いつも「会社がきれいじゃない」と文句を言っている人は、基本的に口うるさい人です。

だから、リーダーという権限を渡すことで「ちょっと○○さん、片付けなさいよ!」と目ざとく見つけて言うので、ある意味チームのトップの工場長が言うよりも怖いのです。

そして、リーダーに対しては、工場長からきちんとほめて讃える「承認」をします。

「○○さんがいてくれて本当に助かるよ。○○さんにクリーンリーダーを任せたことを社長には伝えてあるからお願いね」「ええ!! 私には無理ですよ」「そんなことはないよ。○○さんは常日頃からもっときれいにしたほうがいいと言っていたでしょう。本当にいてくれて、有難いんだよ」 なんとなくおだてているように感じられるかもしれませんが、おだてているのではなく、 本当に心からその人を「あなたってすごいじゃない」と承認するのです。

このリーダーの場合、普段から職場の汚れているところが目についていたわけですから、 その人に合ったリーダーという「役」を持たせることで、能力を発揮できるのです。

ページトップ