2023.08.08
「目標を決めなきゃ駄目」と考え、周りからの期待や自分自身の義務としての目標になってしまうと、こんなにもつまらなくて苦しいものはありません。
できて当たり前、できなかったら失望するからです。
目標を期待や義務ではなく、「ワクワク」に変えるにはどうすればいいのでしょうか?
自分の五感を研ぎ澄まし、身体を最大限活用しながら、いまだかつて誰も打ち立てたことのない記録に自分の名を刻む、これはスポーツの目標設定と似ています。
多くのオリンピック選手を見てきて、次のように思うことがあります。
壮絶な練習、言葉にできないプレッシャーを乗り越えて、ようやく日本代表選手に選ばれる。
その後、今度は国の代表という重圧を背負って、世界の天才たちと肉体と精神をかけて闘わなければいけない……。
オリンピックは素晴らしい祭典ですが、同時にとても残酷な祭典ともいえます。選手たちは日本代表に選ばれるだけでも究極まで人生を賭けているのです。
それならば、オリンピックでは順位を決めたり金銀銅などのメダルの色を決めたりせずに、世界中の選手が成果を見せ合うようなエキシビションにしたらいいではないか と思ったことさえありました。
国を代表している選手たちが、またそこで競い合うことが、あまりにも残酷に思えたのです。
ところが、実際にオリンピックに出場した選手に話を聴くと、「金銀銅のメダルが無いなんて考えられない」と言います。
一番になるために頑張る。勝つために闘う。そのほうが自分自身で納得できると言うのです。
確かにメダルや順位がなかったら、あそこまで素晴らしいパフォーマンスを見ることができるでしょうか?
すでに人間の身体の限界を超えているといわれる中で、陸上や水泳の世界新記録がここまで出続けるでしょうか?
答えはノーです。目標があるから自分の力をはるかに超え、それだけの精神力で人類未踏の領域に到達できるのです。
トップアスリートの凄まじい目標設定とは違い、私たちはもっともっと小さな目標から自由に設定できます。
オリンピックをめざすアスリートでも、日々の練習の目標は、今まで以上に技を磨き上げることや、一秒でもタイムを縮めることだったりします。
小さい小さい今日一日目標を積み重ねていくことが、大きな大会で一位と番外の差になるに違いありません。
メンタルトレーニングの世界では、「プチ目標」が大切といわれています。今日何か一つできることを考えて、自分の夢につながる小さな目標にしてみます。
それらを組み立てていくことで毎日に彩りが出て、大きな目標も見えてくるのです。
「今日は体調が悪いけど笑顔でいよう」とか、小さなことでも良いのです。
どんな小さなことでも必ず達成できる目標を持つことで、のっぺらぼうな毎日の中に、少しワクワクする自分らしさを見つけられるのではないでしょうか?