不安や恐怖が身体に及ぼす影響

2023.08.26

メンタルトレーニングの重要なテクニックに「イメージトレーニング」があります。

これは、オリンピック選手やプロスポーツ選手なども活用しています。

イメージトレーニングとは、頭の中で成功のイメージを思い浮かべることによって、脳が身体の部位に命令を送り、そのイメージのままに身体を動かすことです。まさに人間が持つ究極の脳の力でもあるのです。

イメージトレーニングを理解するには、まず、脳で思い描いた様々なイメージによって身体が色々な反応を示すことを実感するとよいでしょう。

例えば、目の前に1つのレモンを思い浮かべてください。

レモンを2つにスパッと切り、ギューッと絞ると、中からレモンのみずみずしい果汁が滴り落ちてきます。その果汁を直接自分の口の中に、ポトッポトッと垂らすイメージをしてみましょう。

何となく口の中が酸っぱくなり、口の奥がキュンと収縮しませんか?

これが、脳が思い描くと身体が反応するということです。

今のは味覚の例でしたが、私たちは日常的に様々なことで身体が反応を起こしています。

例えば、お化け屋敷で怖い思いをして、本当に身体が硬直して足を前に進められなくなった経験はありませんか?

お化け屋敷なんか怖くないという人は、あなたの苦手なものに置き換えてみてください。

例えば、苦手な動物や虫などが突然あなたの目の前に現れて、あなたに危害を及ぼそうとしているとします。

その時、身体がグッと固まって1歩も動けないという経験はないでしょうか?

「ハッ!」と驚いた時に心臓がドキドキし始めて、しばらくしても 収まらなかったりします。

それらは、身体そのものに何らかの刺激や攻撃が加えられたのではなくて、「攻撃されたらどうしよう」とか、脳に起こる不安や恐怖が一瞬にして身体に反応を起こしてしまっているのです。

また、怖い夢を見た時、目が覚めてもまだ心臓がドキドキして、汗をびっしょりかいていたりします。

悲しい夢を見た時には、ふと目が覚めると自分の顔が涙で濡れていることもあるでしょう。

夢の中の出来事は、身体が実際に体験したわけではありません。

でも、脳は実際にそれらを体験しているので、身体が反応して心臓がドキドキしたり、汗をかいたり、涙を流したりするのです。

つまり脳にしてみれば、実際に経験したことも、実際に経験はせずにイメージしたことも、まさに同じと言えるわけです。

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