2023.08.27
実際、アスリートたちは試合会場で強いプレッシャーにさらされています。
私たちも日常で腹が立ったり、色々な精神的ストレスにさらされています。これらによって、身体は無意識のうちにマイナスの反応を起こしているのです。
逆に、実際は過酷な状況にあっても、脳が良いイメージを描いていれば身体はマイナスの反応を起こさず、いつも通りに行動できます。
例えば以前、次のようなイメージトレーニングを実践しました。
北京オリンピック代表、女子走り幅跳び日本記録保持者、井村久美子さんのケースです。
彼女は冬の間 200メートルダッシュを繰り返すという、かなり過酷なトレーニングを行っていました。200メートルを連続して5本走ると、当然ですが5本目は息が上がり、体力は尽き、最初よりタイムがずいぶん落ちてしまいます。
そこで次のように提案しました。
「最後の5本目は歯を食いしばって頑張るのではなく、イメージを使ってみてください。例えば、ボールがトラックをポンポンポンポンと軽快に跳ねていくように。そんなイメージで自分の身体を跳ねさせて、リラックスして楽に200メートルを走りきりましょう」と。
彼女は実際にやってくれました。今まで何度やっても、いつも5本目のタイムが1番遅かったにも関わらず、その時の5本目は最初の4本を上回るタイムが出たのです。
一番疲れていて身体に疲労物質も溜まりきっている最後の1本で、なぜ良い記録が出るのでしょうか?
それは、脳が「もう身体が疲れて無理だ」と判断している以上に、脳の中に「身体が軽くてボールが弾んでいる」というイメージを思い浮かべることによって、身体は脳からのイメージを選択したからです。その結果、今まで以上に筋肉が動くようになったのです。
身体は脳が動かしているのです。ですから、運動能力や、時には身体の不調や病気す らも、脳で描くイメージ次第だといえるのです。