2023.09.11
今回はチームや家族などで気軽にできる、承認のストロークのワークをご紹介します。
これは「プラスのストローク」と呼ばれるもので、全国の講演会でも実施しています。
2人ずつペアになり、1人がメンタルトレーナー役。もう1人を選手役にします。 まず、メンタルトレーナー役の人は相手の名前を聞きます。
そして、メンタルトレーナー役の人は、相手の上から下までを見て、相手の素晴らしいところを5つ絶賛してもらいます。
例えば、「○○さんは、笑顔がとても素晴らしいですね!」で1つ。
次に、「○○さんは、その青い服がとてもよくお似合いですね!」で2つ。服そのものを褒めるのではなく、その服が似合っている相手を褒めます。
このようにして、合計5つ、声に出して言います。これがプラスのストロークを送ることです。
3つ目ぐらいまでは結構簡単に出てくるのですが、それ以降はなかなか上手く言えないこともあり、普段からいかにプラスのストロークを投げていないかがわかります。
そして今度は選手役の番です。
相手がおそらく変な汗をかきながら、自分の良いところを一生懸命探してくれています。
「○○さんは、△△が素晴らしいですね!」と1つ言われる度に、大きな声で「その通り!」と言ってガッツポーズをしましょう。大きな声というのがポイントです。
しかし、それをブロックしてしまう人もいます。例えば、「いやぁ、この服は安物で」とか、「いやいや、そんなことはないですよ」と。
「ジョハリの4つの窓」という心理学の観点では、自分が知っている自分以外に、自分では気がつかないけど、他人だけが知っている自分があるようです。自分では気づかないけど相手が知っている自分のいいところを感じるのは、素晴らしいことです。
それを心から受け入れてください。
これは、チームのコミュニケーション力向上に活用できます。
グループになって、自分以外の全員のプラスのところを1つずつ順番に言っていくやり方もあります。
人はプラスのストロークをもらうことで脳が活性化され、抗うつ的な効果もあると言 われます。
さらに、アンチエイジング効果まであるようです。認められ、承認されるこ とは、単に嬉しいだけではなく、脳にも変化を起こしているのです。
こういう話をすると、一部のリーダーたちは、「結局、叱らずに褒めて伸ばせという 考え方なんでしょ?」と、少し反抗的に言います。
しかし、そうではありません。駄目は駄目と叱っていいわけです。ただ、普段から相手の良いところを褒め、言葉にしていくと、心が折れにくくなります。
そして、普段からプラスのストロークを送っておけば、厳しいことも言えるのです。
逆に、普段から相手の良いところを褒めず無関心でいると、些細なことで心が挫けてしまうことがあります。
プラスのストロークは、心の栄養分です。しっかりと投げ続けていれば、心が強くなっていくのです。
厳しい環境の中で成功を収めている人の多くは、天才だと褒められて育ったと言われ るのもうなずけます。頑張ることは楽しいことで、さらに認められることが快感だと捉えているのです。<Br?
そのように育てられなかったとしても、遅くはありません。毎日毎日、プラスのストロークを送り合えるチームは、最高のチームになれると信じています。