2023.09.13
メンタルトレーニング習得の第一段階で、「あなたはどういう人ですか?」という質問があります。
また、「あなたの人生の目標は?」とか、「あなたのミッションは?」「あなたの人生のシナリオは?」などの問いかけもあります。
メンタルトレーニングは自分自身と深く向かい合い、弱いところや強いところも全部ひっくるめて受け止め、パフォーマンスを上げていく、究極の自己発見の場です。
トップアスリートは皆、自分のことをとてもよくわかっています。
成功している人は、自分の強いところ、弱いところを知り尽くしています。弱いところがあっても、悪 い形で露呈しないように行動します。そして、長所を最大限武器にして結果を出すのです。
メンタルトレーニングを学び始めの頃は、メンタルとは気合いと根性で歯を食いしばって、弱い自分を否定するものだと勘違いしている人が多いのです。
しかし実際には、自分の弱いところをしっかりと見て、受け止めていきます。なぜならば、セラピーによって弱いところではなくなるからです。
心理カウンセリング的なセラピーは、劇的な変化をもたらします。
弱い自分を理解し、どんな人生を歩んでいきたいかがわかってきます。そして、人生の書き換えや、 価値観を変えることもできるのです。
メンタルトレーニングでは、行動や感情が心を支えるパフォーマンスだと考えます。 そしてカウンセリングでは、その感情の奥にあるさらに深い感じ方が自分を作っていることがわかります。
多くのアスリートに対して、オフシーズンにはセラピーを行うことを勧めています。
シーズン中は毎日「プチ目標」を掲げ、達成感を味わいながら前に進んでいくことが大切なのですが、オフシーズンには前に進むことを一旦止め、自分自身と深く向かい合うことが大切です。
そしてもう一歩、自分の中の深い世界へと自己探求していきます。
すると、今までとは比べものにならないくらい自分の弱さを受け止められ、それを劇的に変化させ、根底から強く、優しく、そして豊かになることに気づくからです。
カウンセリングは、病んでいる人や弱い人が受けるものではありません。人生をより 一層豊かに生きていこうとする人が受けるものです。
自分を深く知ることは、人生の充実感や満足感にもつながります。
上に伸びるのではなく、ゆっくりと下に根を張るように支えていくイメージです。
上に伸びる木は風で倒れることがありますが、深く細く繊細に根を張った木は、暴風雨や地震にも決して倒れることなく、凛とした姿を保てます。
上に伸びることに疲れたり、伸びしろが減ってきたと思ったら、カウンセリングによって、しっかりと根を張って揺るがないメンタルを確立することが大切でしょう。