過去は変わらない。未来のために「今」何をするか?

2023.09.18

私の母は、私が心理カウンセラーになる勉強を始めた頃に胃がんになりました。

母が体調が悪かったかどうか、そのとき私は気づくことができませんでした。母は家族や娘にそういったことを言う人ではなかったからです。

ところが、病院から帰ってきたと告げた母は、突然こう言いました。「病院の先生が家族に話を聞きに来てくださいと言っている」と。よくわからないまま、私と父は 病院の医師に会いに行きました。

すると医師は私たちに、母は胃がんなので、大至急胃の摘出手術をしなければいけ ませんということを告げました。

何よりも驚いたのは、母はまだとても元気で、普通 に日常生活を送っているし、会話もしている。何も不具合があるようには見えなかったことです。

にもかかわらず、即入院、緊急手術。あと少し放置すると、取り返しがつかなくなると言われたのです。

このとき私は、がんというものはこんなに静かに自分たちの日常生活に侵入してくるのかと知って、本当にゾッとしました。

一般的にがんというのはとても怖い病気で、死に至る病気です。

私たちのイメージとしては、がんの患者というのはすごくやせ細っているとか、本当にもう力がなく、壮絶な痛みとともに毎日苦しんでいるとか、勝手に思い込んでいるところがあります。

でもそれは、がんが進行した末期の状態の話です。

母が自分の人生を示して教えてくれたがんへの恐怖は、私の中で健康管理というものに結びついていきました。

私は毎年胃カメラを受けていましたし、がんの予兆とな る細胞の検査まで行なっていました。

にもかかわらず、私の乳がんはそれらの検査をすり抜けるようにして、私の身体に侵入しました。

もっというなら、侵入したというよりも、私自身がちょっと生活のリズムを崩したり、食事や運動などのプログラムをおろそかにしたりして、自分の身体の中でがんを生んでしまったということなのかもしれません。

だけどもう過ぎたことを言っても仕方ない。そして、ここから私自身ががんと向き合う生活が始まりました。

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