プラスのストローク

2023.10.05

心理カウンセリングのスキルに「プラスのストローク」というのがあって、サボテンだって褒めると育つ、お米だって褒めると腐りにくくなる!というすごい効果があるらしい。

サボテンやお米は眉ツバだと思う私でも、子どもを褒めれば目の輝きが変わり、大人だって褒められると表情がみるみるよくなるのを見ると、やはり「褒める」というのは「心理学的にも間違いなく効果がある」ことがわかる。

自己肯定感を上げることが、組織や教育の場でも必要不可欠ではありますが、最近は脳科学的にもその効果は実証されているらしい。

アスリートに、けがの回復期のメンタルトレーニングでお伝えしているのは、「人間の身体は褒めれば褒めるほど、どんどん元気になる」ということ。

ついつい「ああもう! なんで、こんなに動かないの!」と、自分自身を叱ってしまったり、 厳しくしてしまったりしそうだけれど、それでは逆効果。

腕を動かしても、荷物を持っても大丈夫!と言いきってくださる、信頼できる主治医の先生の検診で、安心してあとは自分でメンタルを整えていく。

ちゃんと運動をして、腕も使って荷物も持って甘やかさない。だけど、「やらねば!」ではなく、慈しみながら、褒めながら、それをする。

「大丈夫!いい子だから、怖がらないで。安心して。大丈夫だよ」と。 深呼吸をしながら、優しく、優しく語りかける。これが大事。

午前中、公園を散策しました。

こんなに心地よく生きている患者は、そうそういないかもしれない

右胸の手術はどうしようか? 抗がん剤は? 闘病はまだ始まったばかり。

大丈夫、焦ってはいない。

こんなにしっかりと自分を褒めて、ちゃんと回復し続けている。

しっかりと足元を見据えていく。

ここで大切なものを見つけることが、何よりもこれからを、生き抜く財産になるはずです。

人生が後半に差し掛かるとき、その「回復のプログラム」は、もっと研ぎ澄まして徹底されたものでなければならないのだと、改めて感じる。

細胞の老化であるのががんという病。老いは死へとつながることを、もっと意識して、本気で回復する。

「もう歳なんだから仕方ない」。そんな受け身で情けない言葉ではなく、「人生後半もしっかり結果を出して、笑って生きていけるように!」と。

食事は感覚を研ぎ澄まして、食材を選ぶ。

毎日、身体を動かす。本気で回復のために質の高い睡眠を。本気でリラックスする。

不思議と今、守りの気持ちではなくて、とっても研ぎ澄まされた、積極的な気分です。

毎日が勉強、人生を使った有効なメンタルプログラムの実験のようです。

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