緊張は、脳ではコントロールできない生理現象

2023.10.14

「緊張しても、ドキドキしない方法はありますか?」とよく聞かれます が、緊張とは、あくびやくしゃみなどと同じく生理反応なので、脳でコントロールすることができません。では大事な場面で、プロ選手のように緊張しないで臨むにはどうすればよいのか。

私たちの日常生活でも、緊張する場面というのはあります。

試験や面接、発表の場などが、それにあたります。

しかしいずれも、肉食獣に狙われた昔とは違い、命がかかっているような状況ではありません。

緊張を解消するには、脳に「今は、危険なシチュエーションではない」と教えてあげればよいのです。

それには、深呼吸が一番効果的。

呼吸は、人間のあら ゆる生理現象の中で、唯一意識的にコントロールできるもの。

だからこそ、ずっと昔から瞑想など心身のコントロール方法で、「呼吸」というものが重視されてきたのだと考えられます。

深くゆったりとした呼吸を何度 か繰り返せばドキドキが落ち着き、脳が「安全だ」と認識すれば、緊張反 応をした体はほぐれていきます。

「鼻から吸って口から吐く」ほうがよい などと言いますが、緊張とは突然襲ってくるもの。あまりあれこれ意識す ると逆にうまくいかないので、自分のやりやすい深呼吸でOKです。

もうひとつおすすめの方法は「脱力」 です。

スポーツ選手が試合の際、 練習ではできていたはずのパフォーマンスができない、思わぬミスが出てしまうという時は、自分では緊張していないつもりでも、実は力んで体が硬くなってしまっているというケースが多いです。

交感神経が優位になり、アドレナリンが過度に出て一種の興奮状態になっているため、頭は逆にものすごい勢いで思考しています。

平常心に戻すには、上がってしまっている肩をストンと落として、フーッと息を全部吐ききりましょう。

そのまま、いつもより少しゆっくりのペースで数回呼吸を繰り返すと、体の硬直や頭のパニック状態は落ち着いてきて、自分のやるべきことに集中しやすい状態を作り出すことができます。

副交感神経が優位になるよう、リラックスできるような風景を思い浮かべるのも効果的。

美しい海や緑豊かな草原、色とりどりの花が咲き乱れる花畑など、あなたが心を開放できる自然の景色をイメージしましょう。

なおこの時、いいパフォーマンスをしている自分をイメージする「イメージリハーサル」をやる場合は、少し注意が必要です。

練習の際にはとて も効果的なのですが、本番直前に失敗のイメージが浮かんでしまうと逆効果。もし、ネガティブなイメージが浮かんでしまったら、リラックスできるイメージに切り替えましょう。

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