2023.12.04
長期的な目標を達成するために必要なグリット力ですが、あらゆるフィールドでその力を発揮できているという人は、多くないかもしれません。
仕事は粘り強く取り組めるものの、自分の健康に関してはおろそかにしがちだとか、あるいは職 場ではマネジャーとして人材育成に情熱を注いでいるものの、ついイラッとして部下を叱責してしまったり・・・・・・。
社会生活の中で、いつなんどきも自分を完璧にコントロールすることはとても難しいことです。
しかし、自分はどのような場面でグリット力を発揮できているのか、またどのような場面ではグリット力を発揮しづらいのかを把握できれば、補うべき「やり抜く力」が明確化し、対処すべきことの方向性が見えてくるはずです。
私たちの日常生活において、グリット力は主に次の5つのフィールドで発揮されると考えられています。
①勉強
英単語のスペルの正確さを競う大会「スペリング・ビー」の例でもわかるように、勉強におけるグリット力を発揮できれば、自分が学びたいことに対して粘り強く取り組むことができます。
課題や宿題を投げ出さず、試験でも自ら定めた目標を達成するために、努力し続けることができるのです。
社会人であれば、資格試験や昇格試験などで発揮されます。
②人間関係
「あの人、ちょっと苦手だな」と思う人がいるような場合は、敬遠しがちになるもの。
しかし、人間関係にグリット力を発揮できれば、コミュニケーションの些細な摩擦などを気にすることなく、人の輪の中に入っていくことができます。
助言やチャンスをくれるような人脈との出会い など、成功を掴む過程においては欠かせないグリット力と言えるでしょう。
③心身の健康
なにか落ち込むことがあったとき、そのたびに暴飲暴食したり、部屋に閉じこもって塞ぎ込んでいては、自分の目標達成がどんどん遠のいていっ てしまいます。
日々の食生活に注意を払い、適度な運動を行うなど、規則正しい生活を送ることができる、心身の健康を維持するためのグリットカは、ストレスの多い現代社会をポジティブに生きるための、非常に重要な力と言えます。
④レクリエーション
近年は「サードプレイス」という言葉をよく耳にするようになりましたが、レクリエーションのグリット力は、そうした趣味やボランティアの場などで失敗や挫折を味わっても、気持ちを切り替えて継続していくことのできるグリット力です。
学校や職場、家庭以外のそうした場所は、とも すれば簡単に切り離せてしまうもの。
しかし、レクリエーションにおけるグリット力を発揮できれ ば、自分の糧となるような豊かな経験や人間関係を得ることができるでしょう。
⑤感情のコントロール
自分のことにもかかわらず、一番厄介なのが感情の制御かもしれません。
長期的な目標を達成するためには、その過程でさまざまなハプニングも起こるはず。
不安や焦燥、怒りなどの感情をどう にか乗りこなしていく必要があります。
ここで発揮されるのが、感情をコントロールするグリット力です。
だれかに批判されても、イライラすることがあっても、自分で感情をうまく処理できてこそ、情熱を枯らすことなく大きな目標に向かって努力し続けることができるのです。
これら5つのフィールドのグリット力は、すべてを兼ね備えているのがいちばんですが、人間なかなかそうもいかないものです。まずは自分がど のグリット力が強く、どのグリット力が弱いかを意識することからはじめてみてください。