「最上位」の目標だけではアクションを起こせない

2024.01.02

「やり抜く力」は、自分が設定した重要な目標を達成するために、長期間にわたって情熱と粘り強さを発揮できる能力。

つまり、グリット・ス ケールの点数が低かった人は、ひとつの目標に対して粘り強く取り組む力が弱いということになります。

では、「やり抜く力」を思うように発揮できない要因はなんなのでしょうか?

答えは、“目標 の構造”にあるかもしれません。

目標をピラミッド構造に見立てた場合、「最も大きな目標」だけを設定してしまうと、最上位の 目標を支える土台、つまり“こつこつとした積み重ね”の部分が欠如してしまいます。

「やり抜く力」は行動に対して発揮される能力 ですが、「最上位の目標」だけでは、あまりに目標が大きすぎて行動に移せない、または行動してもすぐに挫折してしまう可能性が高まります。

だからこそ、「中位目標」 や 「下位目標」も考 えることが大切なのです。

想像してみてください。

たとえば、普段まったく運動をしない人が、今すぐに「フルマラソンを完走する」という目標を達成することは難しいでしょう。

その場合、以下のように今の自分でも頑張ればなんとかなりそうな、中位、下位の目標を設定します。

そうすることでグリット力は発揮され、「フルマラソンを完走する」という最上位の目標のゴールテープが見えてきます。

最上位目標
・2年後までに、フルマラソンを6時間以内に完走する

中位目標
・1年後までに、ハーフマラソンを2時間30分以内に完走する
・市民マラソンに年3回参加して完走する
・3ヵ月に1回、フルマラソンを想定したランニングを行う

下位目標
・毎朝最低でも3kmのランニングを行う
・週末には土日いずれかで10kmのランニングを行う
・筋力トレーニング、体重管理のために飲酒は週3回までにする

まったく運動をしない人がフルマラソンを完走した理想の自分を想像することは、とても気持ちの良いものでしょう。

しかし、理想の自分の状態と現在の自分の状態には、大きな隔たりがあることを忘れてはなりません。

心理学者のガブリエル・エッティンゲンは、最上位の目標だけが浮かんでいる状態を 「ポジティブな空想」と呼んでいます。

しかし、目標を達成した自分を空想するだけでなく、その道のりに待ち受ける障害を想定することこそが、具体的なアクションを練る上では非常に大切です。

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